執筆者紹介

☆ 坂本慎太郎 ☆

俺の名は坂本慎太郎。ここは本来プロフィールを書くところだそうだが、相場に関する知識がまったくない俺には相場観などありゃしない。よって、なにゆえに俺が執筆者の一員になったのか、その経緯を記すことにする。

 初夏の風薫るある日の昼下がり。営業の合間に某駅前通りをフラついていると、ばったり幼馴染(技研では彼のことを獣王と呼ぶらしい)に出っくわした。

俺「おい、久しぶりじゃのう。そがいにおめかしして何処へ行くんなら?」

獣「おう、元気にしとったか。わしゃ今から神戸で相場の会議じゃ。ここんとこえろう稼いでのう、ほれ見てみいこのスーツ、えかろうが。ほいじゃ、わしゃ忙しいけえまたの」

 奴はそう言って冷たく背を向けた。俺は人目も憚らずその後姿に吠えた。

俺「ちょいと待たれい!そのソーバとやらの話、詳しく聞かせてくれや」

 獣王は面倒臭そうだったが、相場技研や提灯について簡潔に説明してくれた。俺の鋭敏な第六感はズドンと反応したね。そんなどっちつかずのいいとこどり、他力本願金銀ザクザクの話がこの世にあるとは!俺は無知だった今までの己を恥じた。俺は即座に決断した。

俺「よっしゃ、わしも一丁その提灯とやらで稼いでやるか。獣王よ、わしも神戸に連れて行け」

俺は営業などそっちのけで嫌がる獣王にくっついて新神戸行きの新幹線に乗った。

神戸に着くやいなや、いかにも高級げな中華料理店に案内された。そこには、秋山 昇氏、仕手筋Mr.X、玄人筋Mr.Y、業者筋Mr.Zがいた。彼らは一斉に怪訝な視線を浴びせてきたが、俺は動じず一気にまくし立てた。

「俺にゃ相場の知識もノウハウもまったくねえが、人や物事を見抜く目と運と勘だけは常人離れした能力があると自覚している。さっき獣王から提灯の話は聞いた。俺はこの先提灯道を極めようと思う。おのおの方、誰を選んで提灯貼るかは俺が決めるとして、金になる情報を逐次俺に与えてくれ。それとよ、俺の生き様を会員に知ってもらうために執筆もさせて欲しいんじゃがどうかのう?」

 一同、馬鹿を見るような目をして聞いていたが、やがてヒソヒソと話し始めた。腹が減った俺は勧められてもいない卓上の豪華料理をつつきながら返事を待った。欲張って口に含んだ北京ダックを流し込もうと烏龍茶に手を付けたとき、秋山氏が口を開いた。

秋「いいよ、OKだ。情報は僕達があげるから好きなだけやってみなよ」

てなわけで、鶴の一声で俺は晴れて執筆者の一員に名を連ねることになった。

 会員諸君、ド素人だと思って馬鹿にするなかれ。この俺の千里眼をもってすれば相場で一財築くことなどいとも容易いことなのだ。華麗なる提灯道をとくと御覧あれ!


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